
不登校で通信制高校に転校してくる高校生の中に、うつの症状があるというお子さんもいらっしゃいます。
不登校の高校生に多い、うつの症状と原因についてまとめました。
高校生に多いうつの症状とは
うつは気分障害の一つで、悲しい気分がずっと続いたり、怒りがずっと続いたり不快な感情が長く続いてしまうようです。
うつと言われる高校生に多い症状は、
- 気分が沈む
- 疲れて動けない
- 眠れない
- 自分のことが嫌になる
- 不安や罪悪感でいっぱいになる
などが見られるようです。
症状は大きく3つに分類できます。
- 意欲や行動の症状
- 考え方の症状
- 身体症状
意欲や行動の症状
うつの症状として、意欲が低下したり、1日のうちに気分が変動することがあります。
また、極端に自己評価が低下し、「自分は生きていても価値がない」など考え始めることも。
身だしなみに気を使えなくなったり、日常生活を送るのも億劫になります。
でも、頭ではすべきことがわかっているので、できない自分に焦ったり不安になったりしてしまいます。
うつの症状は、1日のうちでも変動することが多く、朝が一番調子が悪く、夕方ごろになると少しマシになることが多いようです。
考え方の症状
うつの症状として、考えが浮かんでこなくなったり、物事の判断ができなくなることがあります。
頭が回らないという状態です。
また、自分のことを極端に悪く捉えてしまうこともあります。
身体症状
うつの身体症状として、食欲低下や睡眠障害があります。
味覚が感じられなくなって、食べても「砂を噛んでるみたい」に感じて食欲がなくなるなどです。
また、眠っているように見えても熟睡できず、疲れが取れないこともあります。
うつの原因は?
うつの原因は、まだはっきりとはわかっていません。
仮説としては、神経の障害によってストレスに弱くなってしまうことや、うつになりやすい性格などがあります。
神経学的な原因です。
仮説が揃っていても、絶対にうつになるというわけではなく、精神的ストレスや身体的ストレスも強く影響します。
社会の風潮や環境の変化によってもうつになることがあります。
心理的な原因です。
環境の変化は、近しい人との別れや経済的な困難などが考えられますが、マイナスの出来事だけがうつに影響するのではなく、進学などで新しい環境に投げ込まれることもうつの原因となります。
社会的な原因です。
うつは、神経学的な原因、心理的な原因、社会的な原因、さまざまです。
うつになりやすい性格
うつになりやすい性格があることは研究でも明らかにされています。
うつ病になりやすい性格とは、
- 頑張り屋さん
- まじめ
- 完璧主義
- 責任感が強い
こんな性格はうつになりやすいと言われています。
こういった性格の人は、期待に応えようとするシステムが心の中にしみつています。
問題を解決しよう、人に頼らず自分でなんとかしようという、一見しっかり者の強い子は、環境の変化があっても、それが自分の範囲内であれば完璧な人としてうまくやっていけますが、適応外の環境になった時、解決不能の問題にぶつかったときもまじめに全力で対処しようとしてしまいます。
全力でやって、対処できないとなるとストレスが自分の限界を超えてしまいます。
ストレスが自分の限界に達しても、頑張り屋の性格の子は自分に鞭打ってもっとがんばろうとします。
限界を超えてしまうと、うつになったり心身に何らかの異常を来してしまいます。
うつになったら休息が必要と言われても、簡単に休めるような性格ならうつにはならないわけです。
通信制高校には「病んでる」と言っている子が多く、症状などのお話を聞いていると、うつかな?と思うこともあります。
でもうつは治療法がありますし、お医者さんと相談しながら高校卒業を目指してほしいと思います。
私たちができることは、生徒さんの自己評価が下がらないように接したり、うつなどのことを勉強して少しでも理解できるようにすることだと思います。